この記事ではTOEICテストのPART2対策についてまとめました。PART2の問題分析・解答テクニックについて書いています。はじめてTOEICを受ける方や、これから具体的な対策をはじめる方に参考にしてほしいです。
はじめに
はじめにこの記事を読む方に伝えておきます。
TOEICは英語力と「テスト力」が求められています。
「テスト力」というのはTOEICというテストを効率よく解けるかという力です。
つまり、英語力がなくてもテスト攻略の「テクニック」があれば点数は伸ばせます。
今回の記事では①問題分析・②解答テクニック・③対策の三部構成でまとめています。
対策も簡単に書いていますが、「②解答テクニック」を是非参考してもらえればと思います。英語力ではなくテクニックの話なので、本番3日前だとしても有効に活用できる内容になっています。
TOEIC PART2問題分析
基本情報
TOEICテストPART2は応答問題とよばれるリスニングテストになります。PART2では1つの質問または発言に対して3つの応答文の音声が流されます。PART1と同様に問題文は一切ありません。
問題文がないため音声からの情報のみで問題を解答する必要があります。「①問題文(質問or発言)を正しく理解する」&「②応答文を正しく理解する」ことが求められます。
- 問題数:25問
- 問題内容:応答問題
- 問題詳細:質問文・発言への正しい応答文を選ぶ
問題の特徴
PART2の特徴としては、TOEICリスニングテストの中で唯一、音声だけの情報をもとに解答する問題となります。PART1では写真、PART3・4では問題文が追加情報としてありますが、PART2では写真や問題文が一切ありません。
そのため流される2種類の音声を聞き逃さないことや、高い集中力で聞き続けられることが求められます。純粋なリスニング能力を試されるPARTになっています。リスニングが得意な方は解きやすいPARTと感じることも多いようです。僕の経験では帰国子女の友人はみんなPART2は簡単と言っていました。(問題文読解などに気を使わないため)
PART2で求められる力
PART2で求められる力はこちらになります。文章は短めで、難易度をやさしい文章が多いので、基本的にはPART1と求められる力は変わりません。
- 最も純粋にリスニング力を求められる
- 短文を正しく聞きとる力
- 1回読み音声を聞き逃さない集中力
TOEIC PART2解答テクニック
今回の記事で重要視しているのは、それぞれの問題PARTの解答テクニックです。TOEICは問題解答のテクニックを学ぶだけでも点数は伸ばせます。それでは見てみましょう。
5W1Hから推測する
まずこの記事は「バリバリTOEIC対策をしてきて900点を目指してます!」という方には向いてません。「これからTOEICをはじめて受ける」という方にオススメしている内容になっています。ですので、PART2の解答時にも基本的には「全ての音声を完璧に聞きとることはできない」ということを前提にしています。
そして「完璧には聞きとれない」状況でスコアアップを目指すためには、ヒントとなる情報をなるべく多くして正解率を上げることが重要になります。PART2では「5W1Hから推測する」ことを推奨しています。
- When:いつ
- Where:どこで
- Who:誰が
- Why:なぜ
- What:何を
- How:どのように
PART2では質問文・発言に対しての正しい応答文を選びますが、上記のような5W1Hからはじまる質問文は頻出問題となっています。公式問題集5の問題から参考にしたところ、PART2の25問中22問が質問文となっており、内11問が5W1Hからはじまる質問文でした。5W1H質問文が質問文の50%を占めています。
そしてこの5W1Hを聞きとれるだけで解答の大きなヒントをつかめるようになります。TOEIC問題作成機関がWEB上で公開しているサンプル問題を参考に見てみましょう。
Where is the new fax machine?(新しいファックスはどこ?)
https://www.iibc-global.org/toeic/test/lr/about/format/sample02.html
A:Next to the water fountain.(水のみ機の隣だよ)
B:I’ll send the fax tomorrow.(そのファックスは明日送るよ)
C:By Wednesday.(水曜までにだね)
PART2のサンプル問題になりますが、上記のように問題音声(質問文or発言)1つと選択肢音声が3つ流されます。
このサンプル問題では問題音声が「Where」からはじまっています。PART2では問題音声の文頭だけは絶対に聞きとれるようにしましょう。今回であれば「Whereからはじまった」ということはわかるようにすることがポイントです。
5W1H質問文の文頭がわかることで、最悪「is the new fax machine?」がほとんど聞きとれなかったとしても、「場所について聞かれている」ということはわかります。選択肢音声で場所に関するものを優先的に選ぶことで正解率を上げることができます。今回の選択肢音声で分析するとこのようになります。
A:Next to the water fountain.(水のみ機の隣だよ:場所について)
B:I’ll send the fax tomorrow.(そのファックスは明日送るよ:時間について)
C:By Wednesday.(水曜までにだね:時間について)
このようにAは場所についての回答でB・Cは時間についての回答に分類できます。問題音声が全て聞きとれなかった場合は、上記のような分類をしてAを選ぶようにしましょう。(正解選択肢はAです)
そして、選択肢音声を正しく聞きとることができない場合もあると思います。そんな場合でも「Next to(〜の隣)」や「tomorrow(明日)」・「Wednsday(水曜日)」という単語が聞き取れるだけでも、5W1Hのどれに近いか(あるいは消去法で消せるか)を判断できます。
もちろん全ての音声を正しく聞きとって解答できれば理想ですが、今回は「聞きとれなくても正解率を上げるテクニック」になります。TOEICは英語力だけでなくてテクニックでスコアを上げることができるテストです。
「指テクニック」で音声に集中できるようにする(利き手の逆をつかう)
次のテクニックは「利き手の逆をつかう」というものです。僕自身の経験上、このテクニックが最もリスニングの点数向上に役に立っています。このテクニックはPART1のテクニック紹介で詳細な説明をしているので、そちらも参考にしてください。
具体的に説明をします。PART1の記事をお読みになった方は、復習としてご覧ください。まずは利き手の逆の手の指をそれぞれナンバリングします。 右利きの方であれば左手、左利きの方であれば右手にナンバリングします。
- 人差し指:Aの選択肢(1つめの選択肢音声)
- 中指:Bの選択肢(2つめの選択肢音声)
- 薬指:Cの選択肢(3つめの選択肢音声)
このような形でそれぞれの指に選択肢をふります。そしてピアノの鍵盤を軽く叩くような角度で指を脱力して机の上に置きましょう。右手(左利きの方は左手)には鉛筆を持って、逆の手はグーとパーの間くらいの状態で机の上に置くイメージです。
そして音声を聞きながらこのように指を動かしてください。
- 正解だと思う:指をかるく伸ばす
- 正解か不正解はわからない:そのままの状態
- 不正解だと思う:指を手前に軽く折る
このようにして自分の解答判断を指にゆだねてしまいます。そうすることで完全に音声に集中して問題を解くことができるようになるのです。TOEICのリスニング問題は次々に進んでいきますし、音声は1回しか流されません。解答に悩む時間を可能な限り減らしていくことも重要なテクニックになります。この「指テクニック」で効率よく問題解答をできるようにしていきましょう。
- 消去法での解答をしやすくなる
- 雑念が減り音声に集中できるようになる
- 解答を悩む時間が減り先読みがしやすくなる
PART1のテクニック記事には写真つきで説明をしているので参考にしてみてください。そしてこのテクニックはPART3・4にも応用することができます。
TOEICは英語力だけでなくテクニックで点数を伸ばすことができますが、リスニングテストが特に顕著です。TOEICテスト初学者の方はこのような優先順位で学習することを推奨しています。
- 具体的な勉強時間:リーディング>リスニング
- テクニック攻略:リスニング>リーディング
リーディングの勉強で基本的な知識を蓄えながら、リスニングはテクニックを習得することで順調にスコアアップしていきましょう。ちなみにこれはTOEIC800点・900点を目指している方も活用できますので、さらなるスコアアップを目指す上でも覚えておいていただきたいです。僕がTOEIC990点を達成した時も、勉強時間の大半はリーディング対策に費やしていました。
集中力をキープする(悩む問題があっても切りかえる)
最後のテクニックはリスニング問題全体に共通しますが、「集中力をキープする」ということです。
PART2では音声だけに集中して問題を25問連続で解く必要があります。中にはうまく聞き取れない問題、悩む問題がでる可能性もおおいにあります。しかしながら解答の連続の中で「悩みすぎる・焦って集中力を欠く」ことは全体の正解率を下げることにつながります。 高い集中力で多くの問題を解けるよう工夫していきましょう。
- 焦ったら周りをみて深呼吸する
- 悩む問題も次の問題案内がはじまったら切りかえる
- 悩んだら「①正解だと思う・②正解は不正解はわからない」からとりあえずマーク
TOEICはリスニング・リーディングあわせて合計2時間におよぶテストになります。リーデイングの問題数も多く、はじめて受ける方は時間が足りないことも多いです。なので最後まで集中してスピーディーに解いていくことが必要です。
TOEICは「英語力×テクニック×集中力」が求められている試験です。集中して解ける問題を1問でも増やせるように工夫していきましょう。
そして、悩んでしまった時に次の問題案内がはじまったら、とりあえず「①正解だと思う・②正解は不正解はわからない」のどれかに必ずマークしましょう。
リスニングテストは全体的に見直しが困難ですが、PART2については見直しが不可能だと思ってください。最後に時間があまったとしても、問題文がない問題を音声を思い出して検討しなおすのは難しいです。悩んだらとにかく正解率が高いと思う選択肢を必ずマークして、次の問題へと切り替えていきましょう。
【はじめての受験者向け】TOEIC PART2対策
最後に簡単にPART2対策のオススメをまとめています。当ブログでは「公式問題集」の活用を強く推奨しています。はじめてTOEICを受ける方は特に、「公式問題集」と今回の記事で掲載している「解答テクニック」でスコアを上げていきましょう。
公式問題集で繰り返し演習
これからTOEIC対策を本格的にはじめる方には特に公式問題集を推奨しています。2回分の模擬問題が収録されているので、実際のテスト形式を経験することができます。TOEICテスト開発機関が公式に作成している問題集ですので、問題のクオリティも極めて本番に近いと考えて大丈夫です。
PART2は音声も全て短文で、文章の難易度も易しめのものになります。具体的なPART2対策の問題集を優先するよりは、まず公式問題集に掲載されている50問の演習をしっかりやりきりましょう。
公式問題集をオススメする理由はこちらの記事をご覧ください。
ディクテーションで復習する
公式問題集で演習を進めた後はディクテーションでの復習をオススメしています。ディクテーションとはリスニング音声を聞いて、正しく文章を書き出す学習法です。英語学習法でも非常にメジャーで効果的なものになります。
ディクテーションは長文よりも短文音声の方がやりやすく継続しやすいです。僕もリスニング対策でディクテーション学習をした経験がありますが、長文ですと「聞きとれなかった部分の繰り返し再生が面倒くさい」という大きなデメリットがあります。
短文でやさしめの文章をディクテーションすることで、頻出の単語&表現の発音を正しく認識する能力を高めることができます。公式問題集の演習後は音声とスクリプトを活用しながらディクテーションで復習をしていきましょう。
本日の記事は以上となります。繰り返しですがTOEICリスニング問題はテクニックでスコアを伸ばすことができます。はじめての受験者でもすぐに活用できるテクニックですので、積極的に活用をして周りと差をつけていきましょう!